美幸 3年目の出来事

外から聞こえてくる子供たちの騒ぎ声で美幸は目を覚ました、時計をみると既に
5時近かった。ホテルを出てファミレスで食事を済ませ男と別れ家に着いたのは
2時半を回っていた。

「こんな時間か〜今日は一人だし簡単なものでいいか」

昨日から両親は仁美を連れ母方の祖母の13回忌に2泊の予定で福島の実家に行っていた。
美幸は3日間の休みが取れなかった事もあり家に残ったのだった。

しかしそれが二人を結びつける結果となった。

何か果物が食べたくなった美幸は近くのスーパーへ買い物に行こうとソファーから
身を起こし立ち上がろうとしたが体を持ち上げる太腿に力が入らない

「ふぅ〜やだ〜もう。。。うさぎとびやらされた後みたい」

それでもどうにか買い物を済ませ家に戻った時時計は6時半を過ぎていた、
テレビをつけグレープフルーツを食べていると下腹部に鈍痛を感じた。

「生理かな? それとも。。。。。」

この痛みに覚えがあった、勝に激しく愛された後もこんな感覚がたまにあったからだ、
意識すると痛みが増して来た様な気がして美幸は風呂の支度をした。

洗面所で裸になると美幸は鏡映る乳房を両手で軽く挟んでみた

「張ってる、やっぱり生理だ」

乳首を掌でこすってみると軽い衝撃が走る。

「。。。。彼は綺麗だって言ってくれた」

自分の手で乳首に触れるなど何年ぶりだろう、改めて自分が女である事を
思い知らされる、身体を洗い湯船の中で美幸は考えていた。。。

「私はあの人を愛してるのかな。。。。。?」

「セックスがしたかったから。。。?」

「ちがうよね!でも。。。抱かれてもいいって。。。。」

「でも 彼は? 愛されてるのかな? 私。。。」

「一晩だけの 遊び?」

「また 会う約束したよね。。。。。」

いいようの無い不安感が美幸を襲った、仁美の笑顔が思い出され何故か
背徳感にみまわれた。

「会いたい。。。。」

風呂を出て身体を拭きトイレに行ってナプキンをあてがった、予定よりはやく生理がきていた。
居間に戻ると美幸は携帯を覗き込んだ、男からのメールを期待していたからである。
しかし 男からのメールは届いておらず美幸は自らメールを打っては送信出来ずにいた。

早めに布団に入った美幸は愕然とした、仰向けでいると自分の股間がまるで男を
受け入れるように足が開かれているような感覚があった。

「やだ!。。。。。。会いたい」

美幸はためらわず携帯をとり電話をかけた、だがなんど呼び出ししても繋がらなかった。。。

「なにしてるんだろ?。。。どこにいるんだろ?。。。しなきゃよかったかな?」

美幸は不安と虚しさに襲われた、数分すると携帯が鳴った。

「もしもし ごめん!風呂入ってた どうしたの?」

美幸はほっとした、電話の向こうからプリンターが動く音が聞こえる。

「うぅん パソコンやってたんだ。。。。」

美幸と男が親しくなったのもパソコンがきっかけだった

「うん 先月分の集計だしてる間に風呂入ってた」

「そっか。。。電話出ないから、どっか遊びいってるかと思った」

「誰かさんに吸い取られてそんな体力残ってません!」

美幸は顔が火照った。

「馬鹿。。。私なんか足がガクガクだよ。。。。」

「そっか〜頑張りすぎたかな?」

「も〜〜〜。。。。。。生理になちゃった。。。。」

「そっか。。。。。」

男には美幸が言わんとしてる意図がすぐに分かった、妊娠の心配はないっと。。。

「「ね〜。。。美幸って呼んでくれたよね。。。。」

「うん」

「。。。。嬉しかった!」

「ね〜。。。。私たち。。。。」

「遊びじゃないよね!」

美幸は思わず切り出した自分にどきどきして男の返事を待った。

「当たり前だろ!美幸は大切な人だよ!」

「。。。。。うん」

「美幸 なにも心配しなくていいよ!時期がきたらちゃんとするから!」

「。。。。うん ありがと!」

涙が溢れ出し声にならない声で美幸は答えた。

「はぁ〜涙が出てきちゃった、剛さん。。。ありがとう!」

「ちゃんと言わなかった僕が悪いね、心配させてごめんよ。これから美幸と話し合わなきゃいけない事沢山あるよ、やらなきゃいけない事もあるしね」

「うん。。。そうだよね!」

「剛さん。。。。。あいたい!」

「。。。。そっか!今日は一人だったね。。。。」

「うん。。。でも 大丈夫!安心したし。。。困らせちゃいけないよね」

美幸には剛が自分の家庭を考慮してくれていることが嬉しかった。

「明日 来月のシフトみて電話するね」

「うん 僕も夕方 足りない物あるから店にいくかもしれない」

「そうなんだ じゃー明日 店で会えるね!」

美幸は勝の3回忌が終わった翌月から近くのホームセンターでパートとして働いていた、
朝7時から夜8時までの営業のため労働時間帯は変則であるが母親がいてくれるので
十分対応できていたし店にとっても有難い存在であった。

それに店には正直美幸目当てで来店する客もなかにはいた、それほど美幸には男を引き寄せる独特のエロスを発していたもちろん美幸本人はそんな意識もない、ましてやここ数年男を寄せ付ける余裕などなかったし仁美の成長だけが生き甲斐の様な生活だった。

剛との出会いは隣町の大手家電量販店の下請け工事業者として働く剛がクレーム処理のために美幸の家を訪れたのが初めてであった。美幸が実家に戻った際に社宅より持ち帰ったエアコンの据付を剛の勤める店に取り付け工事を依頼したが残暑の残る9月に冷え具合が悪くなり両親が調子身依頼をしてきた事で剛が来ることになった。

仁美が6月に生まれる事を期に購入したものでまだ購入して2年たっていないので、そんなに早く壊れるわけがない、取り付けに問題があるのではと工事保障期間内であるため両親が
依頼して来たのだった。

美幸はその時の工事業者にあまりいい印象が残っていない、社宅に居るときは出産で入院中に工事は済んでおり工事には立ち会ってはいなかった。実家に来た工事業者は無愛想で態度も悪く乱暴な工事をしてるように見えてならなかったのである、それは両親も感じているようだった。

そんな事があって剛が来た時両親も身構えているようだった、しかし剛は来てからエアコンの様子を聞くと手際よく仕事を済ませ父親にその報告を丁寧にしていた、取り付けに不手際があった事を認め手直しした箇所を説明している姿を美幸も母親と共にみていた。

「これで大丈夫な筈です、ご迷惑おかけしてすいませんでした。また 何かあったら店のほうへ連絡して下さい」

と 頭を下げる剛に父は

「ご苦労様でした、今 冷たいものでもお持ちしますのでお掛け下さい」

と同時に母が冷たい麦茶を運んで来ていた。 父は取り付けに来た時の業者の話を
剛にしていた。それに対し剛は

「はい 店のほうで調べたところ、夏場の忙しい時期だけくる業者さんの様ですね、 
今はもう来ていないので私が来ました」

「じゃー今の時期になると結構工事ミスみたいなお客がでてくるんじゃないですか?」

「はい 皆夏場は時間に追われながら仕事してますんで仕方ない部分もあるんですが。。。」

「しかし その後処理に回されるんでは大変ですな」

「いえ ちゃんと店からお金は出ますから。。。でわ ご馳走様でした」

っと 工事報告処理伝票を父に手渡し剛は帰って行った。

「あの人みたいな業者さんがはじめから来てくれてればよかったのにね〜」

と話しかける母に父も頷きながら伝票に目をやり剛の苗字を読み上げた。そこには「石上」とだけサインしてあった。それから電化製品の工事には剛を業者指名するようになっていった、何度か剛が訪れるようになって両親とも剛を信頼し美幸の境遇なども剛に話すようになっていった。

美幸の話を聞いた時、剛は同じ境遇の5歳上の姉がいる事を告げた、まだ一才にもならない姪を連れて母の元へ帰った姉の事、あまり接することのなかった義兄の事、家族中が悲しみのなかにいた事など。。。。

そんなある日 工事が終わった剛はパソコンに苦戦する美幸を見かけ声をかけた。

「苦戦してますね〜」

「あ はい! もう〜チンプンカンプンでマニュアルみても何言ってるのかわからない。。。」

「仁美ちゃんの画像処理ですか?」

「はい あの子の成長をパソコンで残して置きたくて」

「どんな事がしたいんですか?僕に分かる事なら手伝いますよ」

美幸はこんな事がしたい、それをこうしたいなど思ったことを剛に告げた、
それを剛は幾つかの方法があるとやって見せた。

「すごい!そうそう それがしたいの!」

と目を輝かせている美幸に何度かその処理工程を美幸自身にやらせて覚えさせた。

「有り難うございます、石上さんてパソコンもプロなんですね!」

「いや〜パソコンの事なんかちっとも判りませんよ、こうゆうのはソフトの使い方
覚えるだけです」

剛が帰る時仁美が帰って来た

「仁美ちゃ〜〜ん おかえり〜」

と仁美を抱き上げる姿を見た時。。。

「おじちゃん もう帰るの? 仁美とあそぼうよ〜」

「おじちゃん まだお仕事あるんだよ」

と 仁美を降ろそうとすると

「だめ〜だっこ!」

まるで父親に甘えるような仁美を見た時、美幸は女として剛を意識しはじめた。。。
実家に戻って3年目の事だった。

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